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東京歴史散歩「時空を超えて残るもの」
王子:日光御成街道と渓谷美


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2011年7月24日(日)
北区王子周辺を散策


青の目印:立ち寄ったスポット
王子駅→飛鳥山公園→渋沢栄一旧居→音無親水公園→王子神社→王子稲荷神社→名主の滝公園→三本杉橋跡→王子駅


赤紫の曲線:日光御成街道。徳川将軍が日光参詣の折りに使った日光脇街道(本郷追分〜幸手)。基本的に、武蔵野台地上を通ったようですが、音無川を渡る部分では、下流の橋を利用したと思われます。



☆飛鳥山公園☆
JR京浜東北線・王子駅中央口から徒歩1分で飛鳥山公園、モノレール(無料)に乗って飛鳥山の頂上へ。頂上といっても、標高は25.4mの低い山、ここは、上野から赤羽へ続く「武蔵野台地の東端」の一部。北区の資料によると、「1720年8代将軍徳川吉宗が桜を1270本植樹して以来、桜の名所になった」と。

広重・飛鳥山北の眺望
飛鳥山からの見晴らしが良く、筑波山も見え
たようですが....今は、JR王子駅前のビル
が邪魔な上、山の樹木が鬱蒼としており、見
通しがききません。

☆青淵文庫☆
飛鳥山公園の一角に旧渋沢庭園あり、渋沢栄一の80歳のお祝いと、男爵から子爵に昇格した祝いを兼ねて竜門社が寄贈した鉄筋コンクリートの建物、栄一の書庫として、また接客の場として使用されたという。(渋沢栄一記念財団

☆晩香廬☆
同じく、旧渋沢庭園内にあり、渋沢栄一の喜寿を祝って現在の清水建設(株)が贈った洋風茶室という。(渋沢栄一記念財団

☆飛鳥山☆
音無橋交差点から、飛鳥山・明治通りを望む。中央分離帯の向こうには、都電荒川線の軌道が敷設されています。

広重・飛鳥山暮雪
左の写真とは逆方向から見た絵と思われます。家並みが山の向こう側にカーブしている様子が印象的、良く整備された日光御成街道の雪道を急ぐ人馬、雪が積もる桜木の斜面、どれをとっても夕方の降雪の侘びしさが良く出ています。

☆石神井川飛鳥山パイパスの入り口☆
従来、石神井川は飛鳥山を回るように(JR王子駅前)、隅田川に流れていましたが、JR王子駅前が洪水になりやすく、これを避けるため、1966年から1968年にかけて飛鳥山の下をトンネルで通す飛鳥山バイパスが作られたとのこと。

☆音無親水公園☆
石神井川飛鳥山パイパスの完成によって、不要になった旧河道(石神井川下流では音無川という)を親水公園にした。流れは人工のものですが、谷間の公園で落ち着いて涼しげな感じですね。

広重・王子音無川堰[タイ]
王子地区は、武蔵野台地の東端、比較的高いところを流れてきた石神井川も一気に、流れ落ちるタイミング、滝が多かったのでしょう。崖あり、山あり、滝あり、流れありといった景勝地であり、広重も多くの錦絵を残しています。

☆王子神社☆
「王子神社の由緒と由来」には、[創建は詳らかではない][元亨2年(1322年)、領主豊島氏が紀州熊野三社より王子大神をお迎えした、以来、この地を王子と呼ぶ]と書かれています。地名発祥の神社というわけですね。

☆三本杉橋☆
「江戸切絵図」によると、日光御成街道は音無川の橋を幾つか渡ることになっていますが、そのうちの1つ、王子神社の北東部に架かる橋がこの「三本杉橋」。

☆王子稲荷神社☆
北区のウエブサイトには、「関東稲荷総社の格式を持ち、江戸時代より庶民に親しまれてきました。 大晦日、稲荷の使いである狐が、近くの榎の下で身なりを整え、この神社に初詣をするという言い伝えがあります境内にある「狐の穴跡」は、落語「王子の狐」の舞台にもなっています。 」とあります。

広重・王子稲荷神社
広重の描いた王子稲荷は複数あるのですが、
この絵は全景をとらえたものとして貴重。台地
の中腹にある神社、その下の勾配のきつい石
段、外へ出るところに小川が流れています。こ
の小川を左方向に5分程歩くと、日光御成街道
が交差し、「三本杉橋」が架かっています。

☆名主の滝公園・薬医門☆
北区の資料によると「江戸時代末期、王子村の名主「畑野孫八」が自邸に開いたのが始まり、庭園として整備されたのは、明治の中頃」という。台地から流れ落ちる4つの滝が美しいとされていますが、今は、ポンプアップで滝を作り、水を循環させているとのこと。この日は、節電のため、滝はお休みでした。

☆名主の滝公園・池☆
ここはたっぷり水がありました、水がないと緑が映えませんね。


※このページで使用した、「広重の錦絵」は合計4枚ですが、いずれも、国立国会図書館ウエブサイトからダウンロードして転載しております。また、転載にあたっては、事前に「国立国会図書館 電子情報企画室」から承認を得ております。

◇飛鳥山の下り坂は、「広重の飛鳥山暮雪」に見られる趣になるには、少なくても「電柱」や「歩道橋」の撤去が必要、自動車・都電・街路樹の存在は受け入れなければ...それから、飛鳥山の植樹の状態を整えて欲しい。春は桜、秋は紅葉、そうすれば、冬、雪の日が待ち遠しくなりますが...
◇音無親水公園は、よくできています、「広重の滝」がなくても、十分楽しめます。
◇王子稲荷神社は、「広重の絵」のように、朱塗りの塀と小川が必要。
◇日光御成街道は、「三本杉橋」のところで、わかりにくくなっています、よく分かるように、カラー舗装をした遊歩道を作れば、人気が出ると思いますが....王子の中心部ですから交通渋滞が心配? 歩いてみましたが、あまり心配はないかと...
◇名主の滝公園、節電もいいですが、「滝」が売りなのですから、なんとか「滝」を...
□全体的に、アップダウンの激しい地域、もう少しの整備で昔の景勝地が復活すると思いますが!!期待します。□



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