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渡良瀬遊水地散策(2012)


より大きな地図で 渡良瀬遊水地 を表示
2012年1月13日(金)
国土交通省 利根川上流河川事務所ウエブサイトには、「渡良瀬遊水地は、利根川本川の132km左岸において渡良瀬川と思川、巴波川の三川が合流する位置にあり、茨城県古河市、栃木県野木町・小山市・栃木市、群馬県板倉町、埼玉県加須市の4県4市2町にまたがる、本州最大級のヨシやオギ主体とする氾濫源の湿生草原を有する総面積33kuの遊水地です。」とあります。

この地域は、河川が氾濫しやすく治水が求められていたのは事実ですが、遊水地がかくも巨大になった背景には、明治時代の「足尾鉱毒問題」がありました。鉱毒沈殿という目的のため、現遊水地の中心付近にあった谷中村は廃村という犠牲を強いられました。
国策の失敗には、巨大な犠牲がつきもの、福島原発に隣接する町も、時代を経て、同じような犠牲を強いられるのでしょうか?

ともかく、何回にも渡って、土木工事が行われた結果(現在も進行中ですが)、堤防で囲われた遊水地の中は、草原・池・川が残り、いろいろな動植物の住みかとなっています。

今回は、野鳥の姿を求めて渡瀬遊水地を覗いてみることに


☆マガモ♂♀(2012.1.13)

☆タゲリ(2012.1.13)☆


☆ハクチョウ(2012.1.13)☆






☆渡良瀬遊水地から望める、北関東の山並み☆2012.2.3
2012年2月10日(金)
渡良瀬遊水地から望める北関東の山並み


渡良瀬遊水地からは、富士山、秩父の山々、上信越の山並み、日光連山、筑波山等を望むことが出来ますが、すべてを同時に見る機会は、そう多くはありません。2月3日、遊水地に立つと、日光連山の山並みがきれいに見えました。登山が好きなわけでもないので、山の名前はにわかには判らないのですが、国土地理院の電子国土基本図(ウオッちず)を参考に、山の同定に挑戦してみました。

具体的には、国土地理院の電子国土基本図(ウオッちず)で山の緯度経度を読み取り、方位角を計算して、デジカメの写真に当てはめる方法をとり、主要な山(頂)、15個を特定しました。

計算上では、赤城山と袈裟丸山の間に、武尊山、谷川連峰が見えるはずですが、この日の写真では確認できず、次シーズンへの宿題となります。


☆赤城山☆2012.2.3

☆奥利根方面☆2012.2.3
袈裟丸山、皇海山、庚申山は特定できました

☆日光白根山☆2012.2.3
雪を頂いた北関東の最高峰白根山がよく見えます、右の方へ行くと金精峠、日光となります

☆男体山など☆2012.2.3
※2月4日の朝日新聞ウエブ版、2月6日のNHKの朝のニュースでは、渡良瀬遊水地のヨシ焼きが今年も中止になったと報じていました。試しに、下草を焼却したところ、焼却灰から放射性セシウムが700ベクレル以上検出されたとのこと。
この地域は、ホットスポットは無いはずですが、濃縮すると無視できないレベルになるようです。ということは、ヨシに限らず、すべての雑草、落葉、ゴミなども、焼却炉で焼却の上保管という対策が必要かと...東電(正確には、原子力発電で恩恵を受けた日本国民)も罪なことをしたものです。




☆チョウジソウ  キョウチクトウ科☆2012.5.17
(環境省レッドリスト・準絶滅危惧)
2012年5月19日(土)
渡良瀬遊水地がラムサール条約湿地として登録されそう


渡良瀬遊水地がラムサール条約湿地として新規に登録されることになったと、報道されています。「ラムサール条約」について、環境省のウエブサイトには、次の記述があります:『1971年にイランのラムサールで開催された「湿地及び水鳥の保全のための国際会議」において「特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約」が採択されました。この条約は開催地にちなみ、一般に「ラムサール条約」と呼ばれています。』。湿地の保全ばかりでなく、賢明な利用が求められているようですね。日本では、すでに37ヶ所が登録されていますが、その内、関東地方には「尾瀬、谷津干潟、奥日光の湿原」の3ヶ所があります。

渡良瀬遊水地アクリメーション振興財団が「渡良瀬遊水地植物観察会」を開催しているというので、参加してきました。
朝10時前に、谷中湖子供広場に集合、受付を済ませます。10時頃、主催者側から一通りの説明を受けた後、観察地・渡良瀬遊水地第2調節池に向かいます。参加者・主催者合計二十数名が各自の自家用車で列をなして遊水地を進む様は壮観でした。

※この日、植物観察会は栃木県植物研究会・大和田真澄さんの解説の下、行われました、以下の写真で写っている手は、大和田さんの手です、ありがとうございました。
※以下の写真で、植物の名前・科名・レッドリストのランクは、「渡良瀬遊水地の植物図鑑」に依りました。
渡良瀬遊水地の植物図鑑:(発行・編集)財団法人 渡良瀬遊水地アクリメーション振興財団 (監修)大和田真澄


☆エキサイゼリ  セリ科☆2012.5.17
(環境省レッドリスト・準絶滅危惧)

☆ハンゲショウ  ドクダミ科☆2012.5.17

☆トネハナヤスリ  ハナヤスリ科☆2012.5.17
(環境省レッドリスト・絶滅危惧U類)

☆ハナムグラ  アカネ科☆2012.5.17
(環境省レッドリスト・絶滅危惧U類)

☆ミゾコウジュ  シソ科☆2012.5.17
(環境省レッドリスト・準絶滅危惧)

☆コツブヌマハリイ  カヤツリグサ科☆2012.5.17
(環境省レッドリスト・絶滅危惧U類)

☆渡良瀬遊水地・第2調節池・環境学習フィールド☆2012.5.17
観察地として訪れた渡良瀬遊水地・第2調節池は乾燥化が進み、湿地・湿地植物が失われ、遊水地の保水能力も劣化していると言われています。そこで、この周辺を掘削することにより、湿地を回復させ、保水能力を高めると共に、湿地植物や野鳥の生活の場、人々の憩いの場を作る試みがあります。

左図の写真の白い板には、
左から、Y.P +12.1m、Y.P +12.5m、Y.P +12.7m と読めます
(標高としては、T.P.+11.26m、T.P.+11.66m、T.P.+11.86m)
この周辺の与良川の水位は、Y.P.+11.8mとのこと

地下水位を考慮して、段階的な湿地を作る計画のようです。
多種類の湿地の下、様々な生物が生活でき、人間も楽しめるようにするには、まだまだ時間が必要なようです。
  • T.P.:Tokyo Peil(東京湾中等潮位)
    実際には、東京都千代田区永田町1丁目にある、
    日本水準原点 T.P.+24.3900 m が使用される。
  • Y.P.:Yedogawa Peil(江戸川工事基準面)
  • Y.P.=T.P. [+0.84(m)]
参考文献:渡良瀬遊水地第2調節池の試験掘削




☆コアジサシ カモメ科☆2012.5.23
渡良瀬遊水地では夏鳥
環境省レッドリスト 絶滅危惧U類
2012年5月24日(木)
渡良瀬遊水地散策(初夏の野鳥観察)


今週は「渡良瀬遊水地野鳥観察会」に参加して、実際に生活している野鳥を観察することに。朝9:00、渡良瀬遊水地 谷中湖子供広場レンタサイクルセンター前に集合。観察地は、渡良瀬遊水地藤岡ゴルフ場近くの沼地ということで、その近くの「北駐車場」に各自の自家用車で移動します。爽やかな五月晴れの中、講師の一色安義さん(渡良瀬遊水地野鳥の会会長)の案内の下、葦の湿原を散策することになりました。

※野鳥の名前・科名・飛来時期などは、一色安義さんの解説が基になっています。「渡良瀬遊水地の野鳥図鑑」(編集発行 財団法人 渡良瀬遊水地アクリメーション振興財団、 監修 一色安義)も参考にしました。

☆オオヨシキリ ウグイス科☆2012.5.23
渡良瀬遊水地では夏鳥

☆キジ キジ科☆2012.5.23
渡良瀬遊水地では一年中見られるとのこと
渡良瀬遊水地をドライブするとき、キジはよく見かけます、全体に分布しているようです。ケーンケーンと甲高い声で泣くのですぐわかりますね。「キジも鳴かずば撃たれまい」とはよくいったものですね。

☆トビ タカ科☆2012.5.23
渡良瀬遊水地では一年中見られるとのこと

☆モズ モズ科☆2012.5.23
渡良瀬遊水地では一年中見られるとのこと

☆コヨシキリ ウグイス科☆2012.5.23
渡良瀬遊水地では夏鳥



☆タチスミレ スミレ科☆2012.6.14
(環境省レッドリスト・絶滅危惧U類)

2012年6月14日(木)
渡良瀬遊水地散策(初夏の植物観察)


先月に引き続きいて、渡良瀬遊水地アクリメーション振興財団主催の「渡良瀬遊水地植物観察会」に、参加してきました。
前回と同様、朝10時前に、谷中湖子供広場に集合、受付を済ませます。10時頃、主催者側から一通りの説明を受けた後、観察地・渡良瀬遊水地第2調節池に向かいます。

今回の観察地も、湿地回復のための試験掘削地(一般には、非公開)、今回は、季節も進み、貴重種も花盛りといったところ。とは言っても、赤や紫といった華やかな感じはありません。解説を聞いている脇の沼地では、コアジサシがダイブを繰り返しているのが印象的でした。

☆コアジサシ、着水して飛び去るところ☆2012.6.14

☆ハナムグラ アカネ科☆2012.6.14
(環境省レッドリスト・絶滅危惧U類)


☆コアジサシが沼へダイブ☆2012.6.14
小型のカモメだけあって、スピード感があります、「急降下→水しぶき→急上昇」がもの凄く速い。3回程見ましたが、いずれも獲物捕獲に失敗したよう、厳しい世界ですね。

☆コキツネノボタン キンポウゲ科☆2012.6.14
(環境省レッドリスト・絶滅危惧U類)


☆ケキツネノボタン キンポウゲ科☆2012.6.14



☆アゼオトギリ オトギリソウ科☆2012.6.14
(環境省レッドリスト・絶滅危惧TB類)


☆アゼオトギリ オトギリソウ科☆2012.6.14
(環境省レッドリスト・絶滅危惧TB類)


☆ミゾコウジュ シソ科☆2012.6.14
(環境省レッドリスト・準絶滅危惧)


☆アズマツメクサ ベンケイソウ科☆2012.6.14
(環境省レッドリスト・準絶滅危惧)


☆アオヒメタデ タデ科☆2012.6.14
(環境省レッドリスト・絶滅危惧U類)


☆サンカクイ カヤツリグサ科☆2012.6.14



☆ヌカボタデ タデ科☆2012.6.14
(環境省レッドリスト・絶滅危惧U類)


☆ミコシガヤ カヤツリグサ科☆2012.6.14
(群馬レッドリスト)

☆ハンゲショウ ドクダミ科☆2012.6.14
(栃木・群馬・埼玉レッドリスト)

☆ハリイ カヤツリグサ科☆2012.6.14



☆カズノコ イネ科☆2012.6.14


☆セイタカアワダチソウ キク科☆2012.6.14
北米原産の帰化植物、絶滅危惧種を含む在来植物との競合や駆逐のおそれが大きい植物。「被害に係る一定の知見はあり、引き続き特定外来生物等への指定の適否について検討する外来生物」として、環境省:要注意外来生物リストに登載されている。

☆ヤナギの木☆2012.6.14
渡良瀬遊水地には、このようなヤナギの林がよく見られますが、あまり多いと暗くなりますね。しかし、このような背の高い木は、猛禽類には必要かと...

☆ヤナギ☆2012.6.14





☆コナラ 落葉広葉樹☆2012.9.2


2012年9月16日(日)
渡良瀬遊水地、旧谷中村の初秋


新たにラムサール条約湿地に登録された渡良瀬遊水地、初秋の植物を求めて、旧谷中村ゾーンを散策です。9月2日、8日、13日と9月に入って、3日程訪れたのですが、いずれも真夏の暑さでした。しかし、コナラやクルミの木には実がなり、クズの花からは甘い香りが漂って、確実に秋が来ています。フジバカマ、ヒメシオンなどのキク科植物の美しさも際だっていました。

2日と13日は、ここを管理する渡良瀬遊水地アクリメーション振興財団主催の植物観察会、植物専門家の解説付きでした。

☆クルミ 落葉広葉樹☆2012.9.13



☆クズ マメ科☆2012.9.13
「秋の七草」の一つ


☆ヒメシオン キク科☆2012.9.13
栃木・群馬・埼玉・茨城レッドリスト種


☆センニンソウ キンポウゲ科☆2012.9.13


☆ツルマメ マメ科☆2012.9.13


☆ワタラセツリフネソウ ツリフネソウ科☆2012.9.13


☆イシミカワ タデ科☆2012.9.2,8,13
ツルにトゲがあり、いろいろな物に絡む。
花は薄い緑、次第に青紫に変化する。

☆アキノウナギツカミ タデ科☆2012.9.13



☆フジバカマ キク科☆2012.9.13
「秋の七草」の一つ
環境省レッドリスト種(準絶滅危惧)

☆アゼオトギリ オトギリソウ科☆2012.9.13
環境省レッドリスト種(準絶滅危惧1B類)


☆ホソバオグルマ キク科☆2012.9.13
環境省レッドリスト種(準絶滅危惧U類)


☆ヌマトラノオ サクラソウ科☆2012.9.13
埼玉レッドリスト種


☆タカアザミ キク科☆2012.9.13



☆スズメウリ ウリ科☆2012.9.13



☆サクラタデ タデ科☆2012.9.13



☆シロバナサクラタデ タデ科☆2012.9.9
(東京都目黒区自然教育園)


☆ノジトラノオ サクラソウ科☆2012.7.22
環境省レッドリスト種(準絶滅危惧U類)






☆試験掘削地☆2012.10.11


2012年10月18日
渡良瀬遊水地 試験掘削の秋


初夏に訪れた試験掘削地、秋の植物を求めて、再び訪問しました(10月11日)。この時期、タデ科の植物の花が美しいのは、遊水地の他の場所と同じですが、タコノアシが真っ赤に色づいているのが印象的でした。その他、エゾミソハギ、イヌゴマ、ワタラセツリフネソウ、ミズワラビなどが元気でした。

☆カンエンガヤツリ  カヤツリグサ科☆2012.10.11
環境省レッドリスト種(絶滅危惧U類)


☆ミズワラビ  ホウライシダ科☆2012.10.11
群馬・埼玉・茨城レッドリスト種


☆タコノアシ  タコノアシ科☆2012.10.11
環境省レッドリスト種(準絶滅危惧)


☆タコノアシ  タコノアシ科☆2012.10.11
環境省レッドリスト種(準絶滅危惧)


☆エゾミソハギ  ミソハギ科☆2012.10.11
埼玉レッドリスト種


☆イヌゴマ  シソ科☆2012.10.11



☆コウガイゼキショウ  イグサ科☆2012.10.11



☆オオイヌタデ  タデ科☆2012.10.11


☆サンカクイ  カヤツリグサ科☆2012.10.11



☆ヤナギタデ  タデ科☆2012.10.11






☆マガモ☆2012.11.3
野鳥観察台から谷中湖中心部を望む、マガモの♂♀が多数いますが、岸の方へは寄ってきません。
2012年10月〜11月
渡瀬遊水地の鳥たち


秋は、サギなどの留鳥に加え、カモなどの渡り鳥が多くなる季節。
植物と違って鳥の密度は低いので、多種類の鳥に出会うためには、時間をかけて、ゆっくりと散策するのがよいようです。運良く出会えても、近づけば逃げてしまう、高性能の望遠鏡(双眼鏡)が必要なこともあります。

☆オオハクチョウ☆2012.10.20
谷中湖北橋付近を歩いているとき、上空を5羽の白鳥が飛び去りました。


☆ウソ☆2012.11.17
渡良瀬川右岸を散策中。

☆ジョウビタキ☆2012.11.17
渡良瀬川右岸を散策中。

☆ダイサギ☆2012.10.26
谷田川の下宮橋でダイサギを発見、谷田川右岸から接近を試みます。


☆ダイサギ☆2012.10.26
接近して、デジカメを向けたとたん、逃げる気配、連写したものを合成しました。嘴は黄色、踵や足は黒でダイサギですね。







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